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建設設計のCAD対応
設監ちば 1993年5月 35号掲載
第11回 所員セミナー −明日の建築家をめざして−

日時 平成5年2月19日(金)・20日(土)
場所 千葉市文化センター 9F会議室

宇野 武夫(本協会々会員)

CAD導入の動機
 
私の事務所でCADを導入した理由は、
1.日影図の作成にあたり、建築計画に柔軟に対応ができ正確な作図が可能であること。
2.事務所移転に伴い大型トラフターが事務所に入らないこと。
の2点で、現在は全てCADによる設計をしている。
ドラフターは主に図面を広げてみる作業台、プロッター出力後の簡単な一部の手直しに利用している。

CADの選定
 CADの選定条件は、 小型である事、早い事、安い事であり、実際に使ってみる事が基本であると
考えていたので、デモ版を借りて2週間程テストをして、使えると確信した上で導入した。
 CADには、最初に基本的なデータを入力すると自動的に平面図や、立体図、詳細図などが連動して
作図できる便利な建築専用ソフトがあるが、それにより出来た図面の完成度の低さに魅力を感じなかった
事と、これから新たに設計する建築の階高や窓高やその他の諸々の事柄について最初に決定している
事など、今までの私の経験からしても恐らく有り得ないし、逆にその決まりのないことを一つずつ決めていく
ことが設計であり、設計することの面白さであると考えていたので、連動して一見便利そうに見え、
いかにもコンピュータという感じのする馬鹿ちょんカメラの様なものはやめて、ただ、鉛筆をマウスに
もちかえただけの一枚の図面を手書き感覚で書く構造システムのDRA・CADを導入した。
DRA・CADは、以前この設監協会のセミナーで興味深いお話を聞いた構造システムの社長滝野文男氏の
開発したソフトである。

CADの利用
 私の事務所でのCAD利用は、ドラフターを使わずCADを1人1台使い互いに教えあいながら1年間の
予定で全ての図面をCADで描こうと言う事で始まった。慣れないうちは、コマンドを覚えるのに時間がかかり
一枚の図面がなかなか描けなかったが、慣れるに従い要領も分かり図面が描けるようになった。
CADの利点は、計画した図面が計画の進行と同時に密度が高くなり作業が無駄にならず積み重なって
いくことや、同じ事の繰り返しを手書きで書くのは大変ですが、CADでは、コピー機能・パーツ機能を
使うことにより、簡単に書けることにあると思う。
 ラフな計画案を、徐々に練り上げて変更に、変更を重ねながら、実施設計を進めていくのに有効な
道具であると思う。
 CADは、原寸で書く事により、あいまいさが無くなり手書きに比べごまかしのきかないところが欠点かも
知れないが、細部を正確に理解したり、又新人の教育には大変よい道具であると思う。
 私の事務所で困ったことは、作業中に、エアコン・コピー・青焼・ポット等が1時に集中し、ブレーカーが
落ちてパソコンの電源が切れて1日の仕事が消えてしまった事や、図面を完成させて登録をして帰り、
翌朝呼び出しても昨日書いた図面が何処にもないような登録ミスをしたり、コマンド操作ミスによる
作図データの消失などの失敗談がある。

CADの構成
ハード NEC PC9801シリーズ
レザープリンター フジゼロックス4105
プロッタ グラフテック SP7100
ソフト DRA・CAD2 構造システム


課題
私自身の課題は、スケッチをしないで直にCADで設計したいと考え比較的単純な建築を例に現在
特訓中です。今回のセミナー講師の話があってから所員の帰った後一人で事務所に残りCADで設計を
しており、お蔭で簡単な直しは、説明するより自分でやるようになった。
 ディスプレイは現在21インチを使っているが、A1の図面を描くには画面が小さすぎる。
A1サイズの作図をするときに、同じサイズで作図中の図面を見ることができれば、更に使い良くなると思う。
 現在のプロッターは出力に時間がかかると同時に手書きに比べ図面の表現が単調です。
価格が安く、作図スピードが早く、正確で、綺麗な図面の描けるプロッターの開発が望まれる。
 CADは、現在の時点では、まだ未完製品であると思うが、車のように誰でも簡単に操作できる道具に
早くなってほしいものである。
 私の事務所では、現在旨く利用する為に、建築的ことはこちらで処理をするからCPUやソフトのことなどは
全くわからないので全てよろしくお願いしますと、ソフト開発事務所ベイテックスの協力を得て利用している。

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