・前面に国道、側面に水路、背面にJR内房線に囲まれた三角形の敷地に計画されたこの支店は、地に倣いL型と半円を組合わせた平面型を採用した。外装計画は、レンガタイルの中に御影石風のタイルを入れ水平線を強調した外壁と屋根は銅板緑青色のステンレス板と瓦で葺き、四方からよく見える展望塔を設け特徴のある外観を作り出している。塔からは、近くに富津市役所、東京湾観音、新日本製鉄君津製鉄所、富津公園等が目前に広がり、その前方に豊かな自然の残る東京湾が水平に広がって見える。天気のよい日には、遠方に対岸の神奈川県横須賀市、横浜ベイブリッジ等が望める。
一昔前は、お寺や教会が街の中心にあり、ランドマークとして機能していたが、現在の経済中心の社会では、金融機関が地域社会のなかで重要な位置を占めている。この支店は地域のランドマークとして、地域の人々が街を客観的に考え、活力のある魅力的な街づくりをして、共に発達していく為の仕掛けとなればと考え設計した。
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